わたしたちの村「ごんぎつね」の作者、新美南吉にいみなんきちは、1913年(大正2年)に愛知県知多郡半田町(今の半田市)の岩滑やなべに生まれました。本文中の青色の語句ごくをクリックすると解説かいせつが表示ひょうじされるよ。 ごんぎつね第一章これは、わたしが小さいときに、村の茂平もへいというおじいさんから聞いたお話です。昔は、 わたしたちの村 の近くの 中山 という所に、 小さなお城しろ があって、 中山様 というおとの様がおられたそうです。その中山から 少しはなれた山 の中に、「 ごんぎつね 」という きつね がいました。ごんは、ひとりぼっちの小ぎつねで、 しだ のいっぱいしげった森の中に、あなをほって住んでいました。そして、夜でも昼でも、あたりの村へ出てきて、いたずらばかりしました。畑へ入って いも をほり散らしたり、 菜種なたねがら のほしてあるのへ火をつけたり、 百姓家ひゃくし..