そんなことを思って、秋田のいろんな浜辺を歩く。秋田市の風車の並ぶ浜辺を皮切りに、潟上かたがみ市の出戸浜でとはま、男鹿おが市の五里合いりあいと、日本海を徐々に北上する形で。僕は秋田をこんなに広く旅するのは初めて。男鹿では「なまはげ館」などにも立ち寄った。
ちなみに歌詞の冒頭の「あした」とは、昔の言葉で「朝」を意味し、2番のやはり冒頭の「もとおれば」は「ぶらぶらと歩き回れば」に近いことを意味している。100年後の浜辺を「もとおる」僕と取材班一行。
そしてなんと今年の12月から、林古渓さんがかつて過ごした神奈川県の辻堂駅の発着メロディも「浜辺の歌」になるのだという。11月27日には北秋田市の子供たちによる「浜辺の歌音楽館少年少女合唱団」がはるばる駆けつけて、盛大なイベントも行われるとのこと!
これも「浜辺の歌」誕生100年のお祝いとして。秋田と神奈川、ふたつの浜辺が時を超えて繋がったような気がして、嬉しくなる。しかも僕は神奈川県出身で今も在住なので、なんだか余計に嬉しい。
こんな風にずっと歌い継がれていく歌を作れることって、同じく音楽に携わるものとしては、やっぱり永遠の憧れでもある。そんな為三さん、実はもっともっとたくさんの音楽を、未来の子どもにも大人にも向けて、残そうと努めていた。その続きは次回。おもに童謡に焦点を当てながら、為三さんのその後の生涯についても。
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